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森博嗣『今夜はパラシュート博物館へ』読了【短編集】

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あらすじ

犀川、練無も集う 煌めきの傑作短編集!

N大学医学部に在籍する小鳥遊練無(たかなしねりな)は、構内で出会った風変わりなお嬢様に誘われて「ぶるぶる人形を追跡する会」に参加した。大学に出没する踊る紙人形を観察し、謎を解こうというのだが……。不可思議な謎と魅力的な謎解きに満ちた「ぶるぶる人形にうってつけの夜」ほか、魅惑の7編を収録した珠玉の第3短編集。 

出典元:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000203041

 

目次

どちらかが魔女 Which is the Witch?
双頭の鷲の旗の下に Unter dem Doppeladler
ぶるぶる人形にうってつけの夜 The Perfect Night for Shaking Doll
ゲームの国 The Country of Game
私の崖はこの夏のアウトライン My Cliff is the Outline against this Summer
卒業文集 Graduation Anthology
恋之坂ナイトグライド Gliding through the Night at Koinosaka
素敵な模型屋さん Pretty Shop of Models and Toys

 

感想

結論から言うと前前作、前作に比べると面白くなかった。その代わりに「お気に入りの名言」はたくさんあったので満足度はそこまで低くはない。序盤からS&Mシリーズ作品2編とVシリーズ作品1編が続いていたので驚いた。この3編を目的に読んでいるといっても過言ではないので、4編以降は読むのをやめようかと思った。結果的に他の短編は面白くなかったので、最初の3編だけ読んで止めておくべきだった。

『どちらかが魔女』がかなり面白かった。森先生の手の上でまんまと踊らせられた。一瞬でも森先生を見下してしまった自分が恥ずかしい。『双頭の鷲の旗の下に』と『ぶるぶる人形にうってつけの夜』はシリーズの短編にしては面白くなかった。後者に登場した謎の登場人物が誰だったのかは気になる。これはシリーズの本編でのちのちわかるのかな。残りの短編は先にも書いた通りつまらなかった。本作は多分、もう2度と読み返さないんじゃないかなと思っている。

解説が前作の冨樫先生に続いてまたもや豪華で、『3月のライオン』の作者羽海野チカ先生だったので驚いた。森先生のことが好きな作家や漫画家は予想以上に多いらしい。解説の中で“「よくわかることができない」それなのに楽しくて「ずっと読んでいたい」という一文があったのだけれど、僕が森作品を読んでいる理由と重なるなと思った。

 

お気に入りの一文