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【ネタバレなし】森博嗣『赤緑黒白』読了【感想】

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あらすじ

色鮮やかな塗装死体 美しく悽愴な連続殺人

鮮やかな赤に塗装された死体が、深夜マンションの駐車場で発見された。死んでいた男は、赤井。彼の恋人だったという女性が「犯人が誰かは、わかっている。それを証明して欲しい」と保呂草(ほろくさ)に依頼する。そして発生した第2の事件では、死者は緑色に塗られていた。シリーズ完結編にして、新たなる始動を告げる傑作。

出典元:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000203976

 

感想

Vシリーズ最期の作品だったのだけど、エンジェル・マヌーヴァ絡みの事件や、珍しい形状の建物が舞台の作品に比べると、事件の面白みや派手さに欠けるような気がした。それでも、最期の作品であると思わなければ普通に面白かった。おそらくVシリーズの中で1番、話の長い作品だったのだけれど「お気に入りの一文」は一番少なかったように思う。トリックや動機などはそこまでだったけれど、2人の犯人についての秘密についてや、保呂草パートの盗みのトリックについては「そうきたか」と驚かされた。

『黒猫の三角』の感想で「魅力的だったので、また再登場させてほしい」と書いた秋野が再登場した(これも登場人物の紹介に名前が載っているので、ネタバレにはならないでしょう)ので嬉しかったのだけれど、期待していたような登場の仕方ではなかったのが残念だったし、以前のような魅力がなかったように感じた。

Vシリーズ全体としては、S&Mシリーズが魅力的なキャラクターばかりだったのに比べて、Vシリーズは保呂草くらいしか好みのキャラクターがいなかったので、保呂草が関わってこないパートは面白みに欠けた。特に紫子と練無の2人は最期まで好きになれなかったので、彼女たちが出てくるパートは特にイマイチだった。そういえば、最後まで祖父江さんと紅子さんの2人を夢中にさせた林刑事の魅力がわからなかったのが残念。Vシリーズもかなり面白かったけれど、断然S&Mシリーズの方が好み。次に読む予定の四季シリーズはS&Mシリーズを超えてほしいなと思う。

 

お気に入りの一文